授業反省会 高学年部     
                              司会者  木村 克巳
1.授業反省会概要
  公開授業が高学年の子どもたちにもかかわらず,明るくのびのびとした発表であった ため,すがすがしい気持ちで授業反省会に臨まれていた参加者が多いように思われた。 反省会でも重苦しい雰囲気ではなく前向きで建設的な意見が出された。はじめに公開授 業をされた先生方から授業の反省と米来小の実態とをあわせて話が出され,その後質疑 応答・指導講評となった。
 
2.授業について(担任から)
  米来小の実態から
  米来小の児童は素直であるが新しい事柄に対する適応力
 はやや乏しい。地域的なものもあり日常的に外国人に接す
 る機会はあまりなく,ALTの先生との学習は2週間に一
 度になっている。〜米来から世界へ〜という研究主題につ
 いては自分たちのこと(米来のこと)をよく知りその上で世界
に目を向けさせたいとい う願いから考えた。そして今,自分のとなりにいる人と共生していくということを大事 にしてきた。今年はサッカーのワールドカップもあり社会性があるということで韓国を 取り上げ学習を進めてきた。今年度は110時間ある総合的な学習の時間の内,90時 間を国際理解教育にあてている。
 
3.質疑応答
  ※韓国の小学校と交流学習を進められているが,パソコンの使用状況やメールの活用 について教えていただきたい。
→まずパソコンの環境は校内LANを整備している。サーバーは2台あり,外部からのメールや外部へのメールはすべてこの2台を通している。パソコンルームにある児童用のものからは外部へ送信できないようにしている。児童用には低・中・高学年部の間のオープンスペースに1台ずつ使えるようにし,休み時間にインターネット検索できるようにしている。また,交流学習についてはネット上の交流サイトを利用して韓国の学校との交流をはじめた。特に今年は日韓国民交流年でタイミングもよかった。やりたいという気持ちが先行し,お互い手探りの状態での交流で両校とも国際化できていないところがいいのかもしれない。純粋な気持ちが十分なのが良いと思う。お互いの主張を適当に認めることが必要だと思う。
  ※子どもたちが発表する中で,はっきりとしゃべっていたのが印象深かった。子ども たちの表現力を高めるための工夫があれば教えていただきたい。
  →だれでも同じようにチャンスがあるということが子どもたちのやる気につながると  考え,役決めにはオーディションを取り入れている。また,発声練習なども取り入れ  はっきりした日本語で伝えることを大切にしてきた。活動の終わりにはお互いに自分  の言葉でほめ合うことを繰り返し行なってきた。そして,自分たちの言葉になるよう  に台本に付け加えをしたり言い回しをかえたりできるようにした。さらに次のような  ことも子どもたちに意識させてきた。
   ・(発表の中に)学んだことが取り入れられているか。
   ・時間が長すぎないか。(2分を超えると苦痛に感じ始める)
   ・メンバー全員が生かされているか。
   ・見ている人が興味を引くような手だてがあるか。 
   ・起承転結があるか。
 ・自分たちの考え(主張)があるか。
  
  ※5,6年生合同の授業の良い点と来年度の方向性について教えていただきたい。
  →米来の5年生はどちらかというと積極的で6年生は落ち着いている。2学年を一緒  にすることにしてお互いが刺激し合っていい方向に向いていった。また,意見を出し  合うことで自分が経験していないこと補い合うことができた。来年度については今年  を経験している現5年と経験していない現4年ということになるが今年を発展させて  いくかどうかはまだ未定である。どちらにしても新年度になって相談していくと思う  し,国際理解の領域から変わっていくことは考えていない。
 
4.指導講評    
                        真庭郡新庄中学校校長  渡辺 光
  子どもたちが大変明るく元気であった。いいスタイルの授業でこれまでの取り組みの 良さを感じた。今回の授業については次のような点がキーワードとなっていたと思う。 
  ○教師の意図がはっきりしていた。
  ○子どもの興味別の自主的グループが編成されていた。
  ○コミュニケーション能力が鍛えられていた。
  ○表現力を身につけている。(劇でアピール)
  ○異文化理解のための道具・言葉の整備や活動時間が保障されていた。
  ○体験者の話などを取り入れ,子どもたちが世界へ目を開くよう配慮がなされていた。
 ※今後期待すること
  今回の研究をふまえ,より一層高い次元をめざしてほしい。そのためには授業実践の 継続,低ー中ー高学年の系統だった評価の研究,より楽しい自由な発想を持ち続けるこ とを大切にしていただきたい。